飛行機とかに乗ってると、思いませんか。
もしこの飛行機が墜落したらどうしようーーー…って。
私は体力も身体能力もないので、そういうアクシデントでは真っ先に諦めて来世に向けた準備に前向きにとりかかる方だと思いますが、でももしも万が一、自分が偶然にも唯一生き残ったら。100人のうちでたった一人選ばれる、漂流物語の主人公の権利を引き当ててしまったら。
その場合はもう、いかに醜く泥にまみれようとも生き延びるしかない。
そういう「自分がもしも主人公だったときのため」の4本をご紹介します。
まず1つ目は「キャスト・アウェイ」
今更ご紹介するのもおこがましい有名作ですね。ロビンソン・クルーソーを元にした、FedEx社員の漂流物語。主人公を演じるのはトム・ハンクス。2000年にこの作品でゴールデン・グローブ賞主演男優賞を受賞しているそうです。
主人公は、アメリカの大手宅配会社FedEx社員。貨物輸送用の飛行機に乗り込んで忙しく飛び回っているが、クリスマスの日、悪天候に見舞われて乗っていた飛行機が墜落。一人だけ運良く島に流れ着くも、そこは無人島。
誰も助けが来ない中、しぶとくサバイバル生活を送り自力で生き延びていく物語。
こちらは輸送していた様々な荷物が島に流れ着くというチートはありますが、島の果物を食べ雨水を飲み、火を起こしたり蔓を編んだりして生きていく様は、サバイバル術として大変勉強になります。
そしてそういったサバイバル術以上に、一人で生きていく上で必要なのが「信仰」であることもひとつの発見。
当然、言葉を話す生き物が何もない環境に取り残されると、気持ちがポキリと折れたり、しおれてしまったりする瞬間が必ず来るわけです。それを救ってくれるのは自分の外部にある他者でしかない。その他者が自分に注ぐ目線が、自分が今どうあるべきかという客観的な視点を与えてくれ、愚痴ってないでやることやろう、という気力を生む。
そうやって、自分自身が生きていくまさにそのために、自分に規範を守らせたり冷静にさせたり癒しを与えたりするもの、それはまさに「信仰」であると私には思えました。
主人公と、その「信仰」の対象であるウィルソンとの出会いから心の交流、そして迎えるラストにも注目です。
続いては「ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日」
打って変わって、こちらは避難船の上での漂流です。
主人公は、動物園を経営する両親の元で育った少年・パイ。ある時、動物園を移すことになり船に動物たちを積んで航海に。そこで嵐に遭い、自分だけ避難船で逃れることはできたが、愛する家族は暗い海の底へ…。
しかし悲しみに暮れているのも束の間、避難船にはシマウマやオランウータンやハイエナ、加えてトラまで乗り込んでいた。獰猛な動物から身を守りながら、陸を探して漂流するサバイバル物語。
文明って素晴らしいですね。こちらは「キャスト・アウェイ」と違い、道具や缶詰、漂流のためのハウツー本まで搭載した完璧な避難船です。まるで豪華客船。船で嵐にあったら何が何でも避難船で脱出しようと決意しました。
ただひとつ厄介なのが肉食のトラ。
しかしそこは動物園の息子。トラの習性を理解して、仲良く手懐けるとは言わないまでもうまく共存していくことを身につけます。
この映画の味付けとして聞いているのが、主人公がアジア系だからなのかそこここに垣間見られる「慈愛」。
救い出せなかった家族や、漂流中に弱ったり食い殺されていく動物園の動物たち、海で捕まえて食料とするマグロなど、主人公はあらゆる生き物に対して慈愛の心を持って接します。生きるためには殺生は必要ですが、常に生命の神秘によって自分が生かされていることを主人公は常に肌で感じて生きていきます。
慈愛の心を失わないことによって、極限状態でも彼は精神を保っているとも言える。ある意味これも、先に触れた「信仰」のひとつの形ですね。
ファンタジックなところは好き嫌いが分かれそうなのと、ちょっと説明が多くてテンポが悪いシーンもありますが、船上漂流術の参考にしましょう。
おそらく普通の市民である限り、乗るのは旅客用の飛行機や客船でしょうから、きっと遭難しても旅行会社が必死になって探してくれます。遭難者を出したとなれば会社のイメージに大打撃ですからね。
なので飛行機や船はある程度、命の保障はあるでしょう。
しかし、酸素も水もない宇宙で遭難したらどうしたらいいでしょうか。
そんなときのために見ておきたいのが「オデッセイ」
火星探索の任期が終わり、宇宙探査船で帰ろうという時に運悪く嵐に見舞われ、仲間に取り残されてしまった主人公。
しかし彼は植物学者。普段は亜流科学と馬鹿にされる分野ですが、残された宇宙探査基地の物資を使って酸素を生み、植物を育て、それを食べてしぶとく生き延びていきます。
予告編を見るとお涙頂戴なヒューマンドラマみたいですがそんなこともなく、主人公はわりと淡々とサバイバル術を身につけて、助かる方法を冷静に考察します。
彼を取り残していった仲間たちも、彼の救出のために悲観的になることもなく、冷静に、時にはユーモアを交えながら知恵と技術を集結させる。
宇宙飛行士に必要な素質は精神力だと聞いたことがありますが、まさにここの登場人物たちの精神力はすごい。そりゃ家族も娯楽も酸素すらない環境で何ヶ月も過ごせるんですから、並大抵の人格ではやっていけないわけです。
そんな精神性は平民の我らには身につけようもないわけですから、ここは彼らが考案した知恵を拝借して、同じ状況になった時に自分がどうすればいいかを学びましょう。
まぁ、とはいえ私たちが宇宙に飛ぶこともまだしばらく先でしょうから、もうしばらくは陸の上で生きることを念頭に、地道に知恵を蓄えていきましょう。
勉強は継続。運動と同じで、一度にどかっと身につけようとするのではなく、小さなスキルアップを習慣づけていくことが肝要です。
そのためにお勧めしたいのが4本目。
ここに来てこれかい!って感じだと思うんですが、最近あまりにもハマってしまってるので紹介させてください。
「THE 鉄腕DASH」です。
もともと興味はなかったのですが、定期的にTwitterで「DASHでTOKIOが絶滅危惧種を見つけた」とか「アイドルのはずがもはや農家」とかが話題になるのでじわじわと気になり、試しに調べてみたらあまりにも面白かったです。
なんというか、アイドルなのに「ここまでやる?」「なんで知ってんの?」「なんでできんの?」が多すぎるというのはもちろんなのですが、生態系がいかに循環してできているのかとか、またその自然の中で暮らしていく先人の知恵とか、感心することが多すぎます。虫とか邪険扱いするのやめよ、って思う。
専門知識の解説や、過去の番組での内容を丁寧にフォローしてくれたりと、初見でも安心して身を任せられる編集にも毎度舌を巻きます。
子供に見せるなら何よりもこの番組。
個人的には、新宿の池の泥を畑の土に使ったら、泥の中で眠っていた江戸時代の種が400年の時を超えて芽吹いたって件がめちゃくちゃ好きです。命ってすごすぎる。
この手法によって絶滅から救われる生き物もいたりするのではないでしょうか。
今週は縄のもじり方を学んだので、どこかに漂流しても私は縄なら作れます。
来週はどんなサバイバル術を教えてくれるでしょうか。今から楽しみです。
上記の作品を見て、皆さんもきたる漂流した時に備えましょう。
あとは自宅に防災グッズを準備しておくというのも大切ですね。
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