旅するトナカイ

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素粒子

素粒子 [DVD]

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性格の歪んだふたりの兄弟の、それぞれの恋愛事情、性生活、の話。
もっと悪趣味でグロテスクな作品だと思っていたのだけれど、ふつうに感じ良い。
馬鹿馬鹿しかったり、それはおかしいだろうと思ったり、いやらしいわざとらしさがあったり(えろいという意味ではなく)(いやえろいけども、でもきもちわるいほどのえろさはない)、作り話にもほどがあるのにおとぎ話になりきることもできず、付き合わされる観客の身にもなってくれよと思いながら観ていると、最後になって、いままでが嘘のように丸く収めてしまっている。
しかし決して「無難」なわけではなく、最後までちゃんと「ええーっ」と思わせてくれるところに、一貫性というか、どうせ付き合わせるなら最後までというどっしり感があって、それが感じ良い。
観ている間はしんどかったのだけれど、観終わってみると、これを「良い」と評価する人間の気持ちもわからなくないな、と思えてしまう。いや、どちらかといえば一般受けする作品ではないか。モロに性を扱っていても、あまり下品な感じがしないのだ。不純の中の純粋。陰の中の陽。(実際はぜんぜんそんなことないのかもしれないけど、つまり後味は悪くないってこと。)
はたしてこれは、ハッピーエンドなのか。