旅するトナカイ

旅行記エッセイ漫画

声まね男の話


声真似男がおりました。
愛する女がおりました。
その女には彼とは別に 愛する男がおりました。


ある雨の朝 女の庭で
女のカーテンの開く前に
男は陽気な小鳥の声で
高らかにさえずって見せました。


傘もささずに立っていて
びしょぬれだった声真似男は
風邪をこじらせ死にました。