- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2007/08/03
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ただただエンディングが残念な映画だ。
画面の美しさならば、歴代邦画の中でもかなり上位に食い込むのではないかと思う。大正ちっく歓楽街のきらびやかさ、着物、金魚、灯篭、桜、髪飾り、口紅。設定世界の作り込み様は「アメリ」を彷彿とさせる完成度。
更に、淫乱の中のプラトニック・ラブという、なんとも大衆の好きそうな題材もエンタテイメントとしてならばどうぞどうぞ。生まれながらの女王のピュア・アット・ハートで女子の心をきゅんとさせてくれるがよい。
少女漫画ならではのあれよこれよの展開はあれど、最終的に観客の望む結末にすっとーんと落ちてしまうのが、これの安定性であり、欠点である。
確かに私も、そうなればいいのにと思いながら見ていたけれど、いざやられてしまうと残念でならない。心のどこかでは、期待を裏切ってほしい、予想を超えてほしいと思っていたのかもしれない。邦画に対してこのような期待は無謀というもの。
先回りした自分が悪かったのだろうか。
それにしても安藤政信が良すぎて困る。
ついでに菅野美穂も役をきっちり演じていて素晴らしいと思った。ああいう敷居の高いキャラクターはなかなか難しいんじゃないかと思う。事実、女郎の土屋アンナも菅野には負けているなと思った。師は越えられぬもの。
そして林檎嬢は流石。