
- 作者: 群ようこ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/01
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 30回
- この商品を含むブログ (241件) を見る
映画がお気に入りだったので原作も読んでみた。
といっても、映画のための書きおろしなので一般的な「小説の映画化」とは話が違うけれども。
今までリメイクは原作を越えられないと思っていたけれど、
これは映画には映画の、小説には小説の良さがある、今までの考えを覆す作品だった。
映画はあまりにファンタジックで綺麗すぎる感があって、原作ではちゃんと「現実」がある。
逆に、原作のちょっと泥臭い感じを、映画では優しく美しく夢のように描きなおしている。
どちらの方がいいかは好みの問題だけれど、片方を味わった後でも、もう片方に新鮮味がある、二度おいしい作品である。
あまり具体的な風景描写のない文章から、あのようなビジュアルが生み出されるというのは、映画のロマンだ。
逆に、原作版のもたいまさこも見てみたかった気がするw
あとあのタイトル字、ふつうのゴシック体があんなにかわいらしく感じられるのは、文字の可能性を提示している。