2014-01-09 骨 小説 祖母の手は、ツヤツヤとして柔らかかった。 私はベッドの横で、その手をずっとなでていた。 冷たくも、あつくもない。まるで人形のようだ、と思った。その手の中に、魂があるということが不思議だった。もうその瞳には、魂は宿っていないというのに。 焼かれた後の祖母の手の骨が、あまりに軽くて驚いた。 そこにはもう、彼女はいなかった。 手のひらに乗せたひやりと冷たい骨が、久々の、祖母の体温だった。