旅するトナカイ

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祖母の手は、ツヤツヤとして柔らかかった。
私はベッドの横で、その手をずっとなでていた。
冷たくも、あつくもない。まるで人形のようだ、と思った。その手の中に、魂があるということが不思議だった。もうその瞳には、魂は宿っていないというのに。


焼かれた後の祖母の手の骨が、あまりに軽くて驚いた。
そこにはもう、彼女はいなかった。
手のひらに乗せたひやりと冷たい骨が、久々の、祖母の体温だった。