公開終了間際に滑り込み。
人生を生きるということ
歳を重ねるということ
何かを手に入れて何かを失うということ
それはなんと不自由で、面倒で、危ういことか。
過去の映画スターの栄光にすがる主人公も、
舞台上でだけ自分を取り戻し、それ以外での自分を捨てた名俳優も、
「リハビリ施設に行っていた」ことをアイデンティティにしている娘も、
舞台を愛し映画を軽蔑するベテラン評論家も。
それぞれの人物が、よっぽど偏屈でイカれてて正気の沙汰ではない、
実際には絶対に関わりたくないような狂人ばかりなのだけど
その狂気は、自分がこれまで築いてきたもの、自分にとって至高なものを守らんとするために他ならない。
それを守るためなら、ぽんと引き金を引いたり、ぴょんと飛び降りたりもする。
その方が、平凡な人生をまっとうするよりもずっと幸せだったり、するんだろうか。
そんなことはともかく、
今夜は気持ちよく空を飛ぶ夢が見れそうだ。