旅するトナカイ

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ズートピア ー ダイバーシティは金のなる木

見てきました。ズートピア

 
ちなみにこっちの予告編が一番好きです。
人間のいない、二足歩行する動物たちが暮らす世界。
彼らは動物の本能を制約して、いまの人間と同じように文明を発展させていた。
主人公のウサギのジュディは、世界をより良くする警官になるべく、田舎のニンジン農園を出てニューヨーク的大都会「ズートピア」へ…
 
アナ雪ほどの社会現象感はないけど、しかしアナ雪よりよっぽどこっちの方が話が良くできてる。
個人の人生観とか幸福観をフィーチャーしていたアナ雪に対して、これは政治汚職や動物種差別など社会派なテーマ。
ピクサー&ディズニーのクリエイターたちの、イマジネーションの豊かさにただただ感心する110分。
 
人間界と同じように大都会があってスマホがあってジューススタンドがある、けどそれぞれの動物に合わせて商品やサービスがアレンジされている。
そういう装置の数々を見ているだけでも、もうあと2、3時間見ててもいくらい見飽きないのだ。
 
そしてその装置たちを見ていて感服したのは、やはりダイバーシティが経済を発展させるということ。
 
大型動物・中型動物・小型動物が乗りやすい電車を作れば、それぞれの動物が鉄道サービスを利用してくれる。
泳ぐ方が速いカバには、降り口に身体乾燥機を設置しておけば水中移動も都市生活も営める。
小さな車にはとうてい乗れないキリンのための背の高い車を作ればキリンも乗れる。
 
そうして多様な種が経済活動に参加すれば、売れる相手が増えて、売手も儲かる。
 
人間社会でも同じで、
男女共同参画すれば、男性だけじゃなく女性のリクルートスーツが売れる。女性の可処分所得が増えればサービスがふえる。
ペット同伴可能な店では、ペット分も飲食代が入る。
英語の案内板が多い街には、日本人だけじゃなく外国人も来るようになる。
 
資源にも能力にも限界があるこの世界で、少ないパイを奪い合わず、パイを広げていくためには
好むと好まざるとに関わらず、ダイバーシティを求めていくしかない。
 
 
一見子供向けなディズニー動物の映画でこんなことに思い至れるんだから、「この映画、意外と深いんです。」の売り文句はウソじゃない。この文句自体はどうかと思うけど。
 

 

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