後厄八方塞がりパリ・ベルリン・コペンハーゲン女ひとり旅
(シリーズの最初はこちら)
(前回はこちら)
帰国後の後処理編です。
後厄が威力を発揮して踏んだり蹴ったり踏まれたりだったので、帰国後もいくつかやることがある。
ドイツのチケットの返金依頼
パリからベルリンへ向かう寝台列車「Nightjet」に乗る前に送られてきた運休の通知メールを見て慌てて別の電車のチケットを5万円で買ったら運休メールはシステムエラーで実際には運休はなかったという不可解な状況がある。(これはウミガメのスープではない。)
5万円の2等列車(狭い)に揺られながら、怒りに任せてダメ元で返金依頼をNightjetに送った。
(ここまでの詳しい経緯はこちら)
返金依頼は英語のページにさえ辿り着ければ、あとはフォームの欄を埋めていくだけ。返信をドイツ語・英語どちらで欲しいかまで選べて効率的。
Passenger Rights & Reimbursement - ÖBB
システムエラーが根本的な原因とはいえ、その後のメールを読まずに5倍の値段のチケットを買ってしまった早とちりはこちら側の問題なのでさすがに返金されないだろうなぁ…と思っていた。実際、受理されたという確認メールが到着しただけで、以降は音沙汰なしだった。
状況に変化が訪れたのは1ヶ月後。帰国して2週間経った頃。
Nightjetを運営する鉄道会社ÖBBから英語のメールが届く。
まず、ご返信が遅れ、ご旅行中にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。旅行の質と顧客満足度は私たちにとって非常に重要です。
新しく購入されたチケットのスキャンまたは写真をお送りください。
こ…これは。
無条件で返金される気配。
てっきり「お客様のチケットは返金不可の安い席なので」などと突っぱねられて何ターンかの強気な交渉が必要なものだと思っていた。予想に反して好感触。
買ったチケットをスキャンして送信。
するとその日のうちに返信が。
どの券を使用したか教えてください。
ナイトジェットの元のチケットを使用されましたか?
新しい予約便に乗車して、使用しませんでしたか?
こちらに「元のチケットは使わず、新しいチケットを使った」と返信。
続く返信で、返金先の口座情報を求められる。
つまり返金の確定演出である。
ここまで来ればもう返金されたも同然。
outside Europe
-> Name of account holder
-> Name of the bank
-> account number
-> routing number
-> SWIFT
-> Residential address account holder
銀行口座の名義、銀行名、口座番号(支店番号-口座番号)、住所は英語で送信。
「routing number」というのはアメリカやオーストラリアの銀行に付与されている番号らしい。日本の銀行では関係なさそう。(番号をください、と再度メールが来たけど「日本の口座なのでrouting numberはない」と返信した。)
「SWIFT」は銀行に割り振られている世界共通の番号らしい。ネットで検索するとすぐに出てくる。
それぞれ記入したメールを返信。
すると、
当社の会計部門に転送しました。彼らが支払いを計算して手配します。
現在申請が増加しているため、会計部門が申請を処理するのに少し時間がかかる可能性があることをご了承ください。
とメールがあり、やり取りは完了。時差が半日あるもののすぐにメールの返事が来るのが嬉しい。
5日後。
日本の銀行から電話が。
海外からの送金について確認のお電話です。
〇〇というオーストリアの口座から送金がありました。
お心当たりはありますか?
ここで送金の趣旨を確認され、入金金額を口頭で言われる。
- 鉄道会社側の銀行の手数料
- 日本の銀行の手数料
が差し引かれて、着金する日のレートで入金されるとのこと。(この時ほど円安を祈ったことはない。)
結果、56,309円のチケット代のうち、52,000円が入金されていた。
まさか、こんな高額なチケット代をサラリと返金してくれるとは…!(元のチケットの5倍の値段なのに…!!)
ÖBBの好感度が大いに上がった。
そして、後厄だからと諦めずにダメ元でも対処すれば傷は回復するものだということも学んだ。
以上。
続いて、スーツケース紛失の事後処理です。
(次回へ続く)