祖母が55年住んだ市営団地からの立ち退きに伴い、家の中のものを全て廃棄することになってしまった。
これは、祖母の人生を少しでも保存したい孫(私)のサルベージ作戦の記録である。(第2回)
時は12月。
引越しの手続きは母たちに任せて、押入れの整理を買って出た。
母とは日程が合わず、単身、祖母の家へ。
天袋(頭上の押入れ)にあるものを全て引っぱり出し、施設へ持参するもの・家族の誰かが引き取るもの・廃棄するものに分類する。
椅子に登って頭上のものを取り出す作業は、祖母自身には到底できないし、還暦を過ぎた母や叔父にも不安な作業だ。椅子から落ちて怪我、入院なんてことになったらあらゆる手続きが滞ってしまう。
55年間まったくの手付かずだったわけではない。祖父が亡くなった際に遺品整理を一通りやっていたのは私も記憶している。
祖父の遺品と向き合う祖母の気持ちを慮って私はあまり手出ししなかったのだが、祖父が遺した古い一眼レフのカメラは、いつか頂戴したいとひそかに狙っていた。それが眠っているとすればこの天袋である。
家族を代表して難所作業を買ってでようという家族孝行が7割、ついでにめぼしい掘り出し物を拝借しようという下心3割で、作業は開始した。
(以下はプライバシーにかかわることなので、有料記事とさせていただきます。)
目次
この続きはcodocで購入