Death Cab For Cutieのギターボーカル、ベンさまことベン・ギバードのPodcastインタビュー和訳。
間が空いてしまいましたが、第6段です。
(第1弾はこちら)
今年の夏はフジロック で来日もされて、改めて日本のデスキャブ 熱が高まっているのは何よりのことです。現場でなくてもストリーミングでご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
フジロック 映像はあまり上がってないので、代わりにこちらのライブ動画を。
Death Cab for Cutie - Thank You for Today tour Live (Palace Theatre in St Paul, MN for The Current)
このライブは2018年10月ですが、最新アルバムの一連のツアーの最初の方の時期のものです。フジロック より曲はたくさん…聴けるよ…。
さて、本題です。ベンさまがコメディアン、ピート・ホルムズのPodcast番組に出演され、こちらに公開されています↓
You Made It Weird #402: Ben Gibbard — Nerdist
これをガシガシ和訳していこうというのがこの連載の趣旨でございます。
まとめをお読みになる前に、注意事項です:
・ただのファンが、ただただベンさまへの愛だけで誰にも断りなく勝手にやってます。
・ラジオ音源はネットで無料公開されてるので違法行為にはならないと思うのですが、偉い人から怒られたらすぐに消します。社会的に抹殺されたくない。
・一言一句の書き起こしはさすがにしんどいので、つまみつまみでトピックごとにまとめます。全文くまなく読みたい!という方はしかるべきところに発注してください。
・とか言いながら、愛が止まらずキュッとまとめられません。長文でごめんなさい。
・日本語として違和感なく読めるものを目指そうと思います。直訳ではなく、かなりの意訳になってますのでご了承ください。
・そこまで英語に自信があるわけではないので、ベンさまが本当にこんなことを言ってるのか信じるも信じないもあなた次第な感じでお願いします。番組を聞いた方で「ここは違うよ」とお気付きの方がいらっしゃいましたら、コメントください。
・繰り返しますが、ベンさまへの愛だけでやってますんで、それだけほんとご理解ください。
今回はベン様の離婚話の続きです。前回が話の途中で切ってしまったので、復習する方はこちらでどうぞ。
ベン様の元妻はあの「(500)日のサマー」の主役ズーイー・ディシャネル。
それでは参ります。
以下、緑字がベンさまです。
#6 仕事のために辞めたこと
(1:34〜2:00)
ー 遠征生活も理解してくれるパートナー
ピート:僕が離婚したとき、周りの人は「僕があちこちに遠征して家を空けすぎたせいだ」って思ってたんだ(実際、僕は遠征とかしないから見当違いなんだけど)。そういうのはあった?
君には君の築いてきたものがあって、相手にもそれがあって…2人のミュージシャン(女優兼ミュージシャン)が一緒になろうと思っても合わないことがあるとか、芸能活動が結婚生活の阻害要因の一つだったと思う?
ベン:んー… そうでもないかなぁ。それを言い訳にはしがちだし、多くの人はそれに苦しむかもしれないけど、僕らはそもそもそういうことに阻害されるほど長く一緒にいたわけじゃないし。
例えばミュージシャンでもコメディアンでも、ゆうに20年とかやっていくわけでしょ。すぐに芽が出る人もいれば時間がかかる人もいるし、山あり谷ありだろうけど、そこに結婚が絡むほど長くは一緒にいなかった。
ピート:なるほどね。「次は何が待ち受けてるんだ?」ってタイミングまでは経験してなかったってことね。
ベン:そう。その前にそれぞれの道に別れた感じかな。
ピート:新しい奥さん(言い方…。笑)の話をしてもいいかな。何をしてる人?
ベン:彼女はフォトグラファーなんだ。
ピート:いいじゃない、ベンの仕事に理解がありそう。
ベン:それ以上だよ。彼女はミュージックシーンの写真家で、バンドと一緒にツアーを回ったりもしてる人なんだ。
彼女が僕の業界をよくわかってるっているのは、うまくやれてる一番の要因だと思う。
ピートもコメディアンだし、狂った世界でやってるわけじゃない。あちこちでショーもやるし、パーティーにも出るし、女の子との出会いも多いし…。
ピート:そうなんだよ! 僕はよく「枕営業してるだろ」って言われちゃう。僕なんか陰キャラの頂点なのに! 僕が枕営業できるわけないじゃない!(笑)
ベン:そうだよね(笑)
でも僕らみたいな職業の人と付き合うとなると、楽しいこともたくさんあるけど、楽屋やホテルで「待つ」時間もめちゃくちゃ多いじゃない。
僕たちの仕事は、みんなの休日が仕事の「オン」になる。友達に「ちょっと晩飯行こうぜ」って誘われても断って、この後のパフォーマンスのための準備したり、体力を温存したりしないといけない。
ピート:そうだよね。
あるとき、僕と奥さんで仕事先のホテルの部屋で「ホビット」か何かを見たりルームサービスを取ったりしてたんだ。
「僕って1人の時だとこんな感じだけど、大丈夫?」って聞いたよね。仕事の前はそういう過ごし方になっちゃう。大事なステージの前に撮影の仕事を入れたり、体力を削るような予定なんか入れられない。
このPodcastを100万人が聴くんだとしたら、それを大事にしなきゃいけないんだよね。収録の前に晩飯になんて行けないよ。「目の前の人と喋るんだ!」ってモードを温存しなきゃいけないし、晩飯に行ったらそれをちょっと小出しにしちゃう。もっと歳をとって熟練になればできるかもしれないけど。
ベン:他のバンドに「ヨーロッパ遠征なんて、たくさん観光できていいね」ってよく言われるけど、そうでもないよ…言葉の壁もあるし、そもそも本来の仕事があるから。一緒にツアーを回ったバンドに連れられて日中は観光に行ったこともあるけど、歩き疲れてしまってその後のライブがしんどくて…。それからはもう、準備だけにしてるね。
体調が悪い時なんかは特にそう。一日中ぐったりして、ライブもして。
僕の妻・レイチェルのありがたいのは、ツアー中にもそういうことに理解があるんだ。
ランチに出たりちょっと散歩ぐらいはするけど、そのあとはリハーサルしてライブがあって、その後も僕は飲まないけど彼女は楽屋で一杯のワインを楽しむくらい。
出かけたり楽しいことをするならオフの日にしよう、って。
「今日はホテルに籠もりたい」って言えば尊重してくれるし、「私は街を見てくるね」「いってらっしゃい」って感じで1人で出かけたりもする。すぐに察してくれる。
ピート:これぞ愛だね。
僕の妻も、言わなくても全てわかるんだ。僕は翌日のために夜9:30には帰りたいんだけど、僕の妻もそれをよくわかってる。
ベン:僕も同じ経験があるな。2週間前に共演した日も、どのバンドもコメディアンも素晴らしいステージだったしたくさん喋ったけど、僕はもう自分の出番が終わったら帰っちゃった。その後のバンドのことは大好きだけどね。
ピート:そう。もちろんそこに出てたバンドは素晴らしいし、CHVRCHESなんか大好きだよ。でも帰る。
CHVRCHES - The Mother We Share
そこで「なんで帰っちゃうの?」とは聞かない奥さんは、理解してくれてるんだよね。仕事は翌日からもずっと続くんだから。
ー お酒との付き合いもやめた
ピート:お酒との付き合いはどう?
ベン:大学の時はお酒を飲むのは楽しかったんだ。ツアー中には日常生活を忘れて飲んで楽しもう!とかやってた。でも飲む量が10年ぐらいかけて雪だるま式に増えていって、ライブ後にテキーラを1本飲み干したり、それも別に飲みたいからというより「暇だから飲む」っていう感じ。
ピート:「飲まない理由がないから飲む」ってあったよね(笑)
ベン:そのお酒が「楽しみ」から「ノリ」に変わった瞬間ってのがあるんだ。
はっきり覚えているんだけど、2004年2月のヨーロッパツアーで、6週間ワゴン車でツアーしてたんだ。スイスあたりは寒いし暗いし、極夜で3時間しか日が昇らないような時期で、もうやってられなくてお酒を飲んでた。40人のお客さんと少しでも楽しみたくて「ステージにボトル持って行こうぜ」って。
当時は初めてミリオンセラーを記録したアルバム「Transatlanticism」が出たタイミングで、メジャー契約もして、何をやってもうまくいってた。でもその分、今までにないほど働いて、プレスにも出て、ライブもツアーもたくさんやってた。
2006年12月にはツアーは終わったのに相変わらずお酒だけは飲んでて。
2008年2月に作家のダニエル・ハンドラーと週末を過ごして、飛行機で家に帰るときに「そろそろこういう生活もやめなきゃ」って話してたんだ。
それなのに、言ったその夜に「今夜は友達の誕生パーティーがあるから、一杯だけ飲みに行こう」ってなっちゃった。それで結局帰ったのは朝の4時だし、ビールもショットも5時間飲み続けて…その翌朝「もうこれで終わりだ」ってなったんだ。自分に「自制しなきゃ」って言って聞かせた。
もう自分の大事な仲間とか家族とかが集まっているところに行って「こいつヤバイな」って目で見られるのは嫌だったし、ちょうど次の春にアルバムが出るタイミングだったのもあって「今やめなかったら、もっとひどくなる」「本当にまずいことが起こる」って思った。恥をかくかもしれないし、キャリアを棒に振るかもしれないって。
ピート:お酒は気の持ちようだけでやめられたんだね。
たいていは自分よりもっと、もーーっとひどい人が周りにいっぱいいて「あいつほどじゃないから大丈夫だ」ってなかなかやめられないことが多いけど。
ベン:いるね、もーーっとひどい人。
でももしこれが他の仕事だったら、ビールやウォッカの瓶が用意されてるような職場なんてないじゃない。そんなのはおかしいんだよ。
ー 自制心で断酒する
ピート:「なんで飲まないの?」ってノリがあるでしょ。昔、周りの共演者がLSDをやってたときも僕だけそれに混ざる勇気がなくて、楽屋のスコッチを飲み干して「チキンなわけじゃないぞ!」って虚勢を張ったり、そういうバカな飲み方もしてたんだ。
でもお酒絡みの武勇伝なんかはないし、何か大きな事件を起こしたわけでもない。ベンもそうだよね?
ベン:そう。事件は起こしてないけど、ただやめたんだ。
断酒クリニックに通ってる人に「ただやめるって決めて、やめれたの?」ってよく言われるよ。僕は自制できるタイプだった。
ピート:僕も決めてやめたタイプ。
ベン:僕の場合はどんどん量がエスカレートしてたから「いつかこれをやめなきゃ」って時が来るのが見えてた。ピートの場合はどう?
ピート:僕はある本を読んでハッとしたんだけど、必ずしも辞めるきっかけは「あなたは周りに迷惑をかけています! やめないとまずい!」っていう強迫観念だけじゃなくていいんだ。「飲まない理由がないじゃん?」っていうノリを自制することも大切。
ちなみに僕はお酒にアンチなわけではないし、飲む人を否定しない。奥さんだって飲むし。
これはお酒以外でもなんでも「ハマってしまってて、本当は抜け出したいもの」全てに言えることだね。
ベン:うちは酒飲み家系で、みんな体は丈夫なのに祖父は寝たきりだった。
幼い頃に「なんでおじいちゃんは寝たきりなの?」って聞いたら「肝臓が動かないから」って、それなのに祖父は飲酒を続けてるんだ。アルコールにはそういう影響があるって学んだし、そういう血が自分にも流れていると自覚してる。
お酒を飲むことを否定しないし、みんながみんな断酒する必要はないよ。でももし「お酒をやめたい」と思っている人がいたら言いたいんだけど…。
きっとお酒の席でノンアルコールビールや炭酸水を頼んだら「おい、飲まないのかよ?」って聞かれるんじゃないか? って思ってるかもしれないけど、誰も気にしないから。
友達も周りの人も誰もそこまで気にしてない。誰も「飲まないなんて腰抜けだ」なんて言ってこないよ。そういうしょうもないことを言ってくる奴がそんなに大事なら「どうぞご自由に」だけど。
断酒リハビリに通ってる僕の友人は「周りに合わせないと」って言うんだけど、君の友達は喋るために来てるんだから君が飲むかどうかなんて関係ないんだよ。
ピート:そうそう。
僕も昔は「お酒がなくて楽しめるわけない」って思ってたのに、ちゃんと楽しめる。お酒の席で騒ぐのも、酔ってるからだと思ってたけど、そうじゃなかった。
僕は元からうるさかったんだ(笑)
ー 第6弾、以上 ー
ちなみにベン様、マラソンにも目覚めています。今年もマッターホルンらへんを走ってらっしゃいました(インスタのストーリーにあげてました)。
「Transatlanticism」の頃のベン様といえば「ぽっちゃり・ひげ・メガネ」のイメージだったのにもう今やただのシュッとしたイケメンだし(ひげだけ健在)、ライブ中のステップの激しさに断酒とマラソンの効果が遺憾無く発揮されています。2時間も歌って弾いて横揺れするのは並の体力ではないですよ…。
さて、次回は「宗教」や「人生観」のお話です。
この連載も残すところあと2回くらいです。
元ネタのPodcast、リンク再掲↓
You Made It Weird #402: Ben Gibbard — Nerdist
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— トナカイ フサコ***名古屋コミティア H-46 (@fusakonomanga) October 17, 2019
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