三浦をしんの「光」の解説で「舟を編む」が触れられていて、読もうかと思ったけれども原作を見ると映画が見劣りするのではと危惧して、先に映画を見ることに。
一冊の辞書ができていく過程を、ただただ連ねた作品。
でも、その中に人々の人生と、思いがある。
辞書は無機質なものに見えて、そこから広がる世界は——調べようと思うきっかけや、意味を知ることで理解できるものは——とても深くて果てしない。
十年以上もかけて作られるひとつのものとは、なんとも、とてつもない。それは、何十年の時間にも耐えるものでなければならない、のに、作っているその間にも時代は変わっていくし、完成したその瞬間からも、時の変化を読み続けなければいけない。
辞書だけじゃなく、建築や、植物や、家族や、自分自身の人生もそう。
キャストがどれもハマり役。ハイライトはオダギリジョーの良い奴っぷりと、デザイン事務所役の又吉。