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【6/17発売】『旅が好きだ!〜21人が見つけた新たな世界への扉』河出書房新社 ー14歳のあなたに向けて

河出書房新社さまの「14歳の世渡り術」シリーズ最新作

『旅が好きだ!〜21人が見つけた新たな世界への扉』に寄稿させていただきました。

 

旅が好きだ!

 

『旅が好きだ! 21人が見つけた新たな世界への扉』

河出書房新社 編

どんなにネットが発達しても自ら訪ねないと見られない・得られないものがある。国内から海外の秘境まで、無類の旅好きたちが贈る旅のススメ。人生には、やっぱり旅が必要だ!

 

予約・購入はこちらからどうぞ

 

 この記事の目次:

 

 

 

 

本書の内容

本の目次です。

I 私が旅に出る理由

角田光代……いくつもの世界がある
益田ミリ……今日も旅する
清水浩史……旅に出る二つの効用
はあちゅう……私が世界一周をして手に入れたもの
森百合子……今年もまた北欧へ行ってしまう理由
たかのてるこ……「ひとり旅」は、‟地球最大の学校“
松本英子……温泉ひとり旅

 

II 想定外こそ旅の楽しみ

高野秀行……天才でないあなたへ
山本あり……世界のパンが待っている
藤村里美……学芸員は今日も旅に出る
中島悠里……さらば飛行機 ようこそトラブル
トナカイフサコ……行ってみなくちゃわからない! !
酒井順子……叩けよ、さらば開かれん
下川裕治……長旅で知る「旅」というもの

 

IIIこんな旅があった! 歴史上の旅人たち

倉本一宏……平安貴族の奈良旅行
出口治明……イブン・バットゥータの旅
金坂清則……イザベラ・バード――「信念の旅行家」の旅の生涯
香日ゆら……夏目漱石18歳の江の島旅行

 

IV インターネットを使いこなそう

牧村朝子……家でもできる旅人のインターネット活用術
羽石杏奈……インターネットフル活用でリアルな旅も気軽に行こう

 

新たな扉を開く 旅のブックガイド20 川田正和

 

  

そうそうたる寄稿者さん方の中に並ばせていただき、たいへん光栄です…。私が読んでいた本の作家さん方と同じ本の中に…私の漫画が…。

 

私が書いたのは6ページ、書き下ろしの漫画です。

ベースは現在連載中の「トナパカ☆スペイン」のサグラダファミリア編。この本のために少し構成を変えて絵は全て描き直しました。

コラム調で読みやすいとはいえ、字だけの本を読み慣れない方もいると思います。たくさん字が並ぶ本の中で、私の漫画がちょっとした箸休めになれば幸いです。

 

 

「14歳の世渡り術」シリーズは、様々な分野で活躍する著名な方々が青少年に贈るコラムのオムニバスです。

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誰もが知っているであろう芸能人から、研究者など幅広い分野の方が寄稿しているので、視点の違いがまた面白いです。

2冊ほど読ませていただきましたが、14歳と言わず、大人が読んでも心に染みる良作です。本書以外のシリーズも、ぜひとも多くの人に手にとっていただきたいです。

14歳の世渡り術|シリーズ|河出書房新社

 

 

14歳のあなたに向けて

私はこの本の中で「行ってみなくちゃわからない」という話を描きました。(具体的な内容は本を読んでいただくとして、)そこで描いたことは、言葉を変えれば「現場主義」ということもできます。

 

私の記憶の中で、最初に「現場主義」という言葉を学んだのは大学生の時。ジャーナリズムの授業で、新聞記者の方が「現場主義」ーー事件を取材するなら、実際に現場に行って自分の目で見て、話を聞いて、足で歩いて確かめなければ真実はわからない…という話をされていました。

 

インターネットが発達し、真面目なニュースも海外旅行のようなホビーも、遠くのことがリアルタイムで知れるようになりました。家の中にこもっていても地球の裏側のことはスマホ1台で簡単に調べられます。

でも、そこで見えてくる世界は、誰かのフィルターを通した世界です。誰かが撮った写真、誰かが撮影した動画、誰かが書いた言葉です。もしかしたら、それを書いた人は「相手をダマしてやろう」と思って書いているかもしれません。そして写真や動画や言葉を見てあなたが思ったことは、相手に「思わされている」ことかもしれません。

 

あなたが自分の感情」「自分の思い」「自分の考え」に出会えるのは、実際にその場所に、自分自身で行った時だと思います。

 

私は大学を卒業して、社会人になって会社で働いたり、会社を離れてフリーランスになったり、漫画を描いたりする中でたくさんの素晴らしい人たちと出会ってきました。私が尊敬する人たちの多くが、言い方は違っても「現場主義」をオススメしていました。

メールやLINEの方が効率的でしょ…という人には、古臭く感じるかもしれません。でも私も「現場主義」を真似していたら、たくさん得られるものがありました。

どれだけイメージを膨らませても、科学が発達しても、「自分の足で現地に行く」ことでしか得られない体感があるのです。「面と向かって会うこと」でしか相手に伝わらない思いがあるのです。YouTubeでコンサートの映像を見るのと、実際に現地に行くのとではやっぱり違います。

(私の会社員時代の仕事術として、とにかく社内では「足を使う」ようにしていました。メールや電話で済ませずに、大事な話は相手の席まで行って話す。人って、メールや電話なら断れることでも、相手が目の前にいると断りにくくなっちゃうものなんです。)

 

今回、私が本の中で言いたかったことは、旅行に限らず、自分の体で現場に行ってみて、自分の心で感じとってほしい、ということでした。

誰かが書いた言葉を読むのではなく、誰かが撮った写真で風景を見るのではなく、自分が思ったことを、自分の言葉で、自分というフィルターで見てみてほしいのです。

そして見たものを正当に評価できるように、自分というフィルターを常に磨いておいてほしいのです。

 

とはいえ「現場に行く」ことには常にリスクがつきものです。

行く途中で事故にあうかもしれない。犯罪にあうかもしれない。お金も時間もかかる。自分の身体能力では物理的に行くことができない場所だってあるでしょう。

「現場主義」とは、やみくもに現場へ飛び出すのではなく、自分自身を管理すること、自分にできることとできないことを自覚しておくことでもあります。

海外旅行は危険です。海外に限らず、行ったことがない場所に行くのはいつだって危険です。

それに備えるための武器として、インターネットを使うことをオススメします。どれくらい危ないのか、安全なのか。訪問先の失礼や邪魔にならないためにどんなことを気をつけるべきなのか。

「これは自分が行ける場所ではないな」と思ったら、行くのは諦めてインターネットの情報だけにしておくのも一つの手です。ただ、そのとき常に、自分は誰かのフィルターで見ているのだ、ということは忘れないでおきましょう。

 

自分の感情や考えが、誰かに「思わされている」状態は、とてもつらいものです。

若い頃は特に、多くの考えが「大人たちに思わされていること」のように感じられて、しんどい時期もあると思います。

1人でも多くの人が、少しずつ自分が行ける場所を増やして、自分に素直に「思う」ことができるようになっていけば、少しずつ世界には幸せが増えるのではないかと思っています。

 

以上です。

 

 

『旅が好きだ!〜21人が見つけた新たな世界への扉』は、6/17発売です。

 

 

 

 

 

 

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同じく河出書房新社から出版した、「はじめてフィンランド 〜白夜と極夜 ひとり旅〜」のご購入はこちらから!

 

新連載「トナパカ☆スペイン」

 

フィンランド番外編「極夜旅行 こぼれ話」はこちら

 

「白夜旅行記フィンランドノルウェーひとり旅〜」はこちらで読めます

 

タイ旅行編「春のタイ 水かけ祭り ひとり旅」はこちら

 

 

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