今年は後厄だそうだ。
初詣に行ったお寺には、こんなパネルが張り出されていた。
私の生まれ歳は、下記の結果。
三碧木星
凶方位:全方位(八方塞がり)
大凶(羅喉星)
さまざまな災難、失敗、世話事など、苦労の多くなる年です。何事にも十分注意して、心身を大切にしてください。特に秋冬は用心してください。
どの方角に行ってもだめ、何をやってもだめな年なのだろう。
しかしながら、旅というものは待ってはくれない。
私はフランス・パリ、ドイツ・ベルリン、デンマーク・コペンハーゲンという3都市周遊旅行を計画した。そして、実行した。
なぜこの3都市を旅先に選んだのか、それは下記の経緯がある。
- パリで本場のフランスパンを食べてみたい。(とても美味しいらしい。)
- ルーブル美術館にも行きたい。広大らしいので、1週間くらいかけて通い詰めたい。
- さっそく1週間のパリの宿を調べたが、あまりにも値段が高い。東京より高い。そのくせ、狭い。あとバスタブがない。
- たまたま最近読んでいた本が、ドイツに縁のある人のものが多かった(森鴎外、小塩節など)。外国人作家の中ではヘルマン・ヘッセが好きなので、ドイツに行くのも良さそう。
- せっかくなら歴史学習ができる場所が良い。となると、ベルリンだ。
- ベルリンの宿を調べてみると、パリに比べてずっと広くて安い! なによりバスタブがある! ベルリンを旅のメインに決定。
- ドイツまで行ったなら、もう一歩足を伸ばしてデンマークにも行こうか。北欧4カ国のうち、まだデンマークだけ行けていない。これといって惹かれるものがあるわけではないが、見るだけ見ておきたい。
…という次第で、
パリ 3泊 → 夜行列車でベルリンへ
ベルリン 9泊 → 昼の長距離列車でコペンハーゲンへ
コペンハーゲン 3泊
という2週間の旅を計画した。
三十路の女ひとり旅である。
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この旅行のあいだ、ずっと行程をノートに記録していた。
会計記録のつもりだったが、書き始めるといろいろと思ったことなど書きつけてしまう。
ひとり旅だと、休憩中にやることがなくて暇をもてあます。レストランで食事が運ばれてくるのを待つ時間、飛行機の待ち時間など、手持ち無沙汰になる時間は意外と多い。旅先だと、スマホでネットサーフィンをしてギガを消費してしまうのも不安になる(なにより、せっかくの旅行先でスマホいじりに時間を費やしたくない)。
自分の足を休めるためにも、行った場所の感想を書いたり、レシートを整理して費用を計算したりと、1日あたり3〜5ページほどのメモを書くことになった。もちろん、写真もたんまり撮った。
その内容を読み返していると、武田百合子『犬が星見た:ロシア旅行』を思い出した。
こういったテキストには読む人を楽しませるものがあるのかもしれない、と思い、私のメモもブログ記事として公開してみる。
もちろん私は旅行記マンガ家なので、いずれマンガにも描くつもりでいる。
マンガと文章、イラストと写真では伝えられるものが異なるので、マンガはマンガで楽しみにしていただきたい。
それでは、出発。(1日目に続く)
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『木々を渡る風』
ドイツ文学者・小塩節による、四季を彩るさまざまな「木」のエッセイ? 解説本?
氏によると「ドイツは森」らしい。森がとても身近にある国なのだそうだ。フィンランドの森に惚れた私としては、ドイツの森も攻めないわけにいかない。