後厄・八方塞がりによるパリ・ベルリン・コペンハーゲン女ひとり旅
(前回はこちら)
今回も長いので、目次置いておきます。
4日目 土曜日 パリ
7:00 起床
目覚ましで起床
昨日、洗濯物を干さずに寝てしまったので洗濯干し。
朝ごはん
少ないけど、これで充分。
荷造りを効率的にしようして、かえって気もそぞろになり捗らない…。
スーツケースと大きいリュックに荷物をまとめる。
8:00 MONOPRIXへ
最後に心残りなので、近所のMONOPRIXでジーンズ購入。1つ大きいサイズだけど仕方ない。
朝からジーンズだけ買うのも恥ずかしいので、りんごも購入。
€46.58(¥7,619)
8:40 宿をチェックアウト
出発。5番メトロの駅へ。昨夜、帰りに歩いたのと同じ道。スーツケースでも歩きやすい道を選ぶ。
9:30 Gate de l'Est 駅でロッカールームへ
パリ東駅「Gare de l'Est」駅で下車。まずここでスーツケースを預ける。
運賃 €2.15(¥352)
ロッカーがあるか心配だったけど、立派な「Left luggage」が。
ロッカー代 €7.50(¥1,227)
観光開始。
シェアライドvelib'を借りるため、ポートを探す。
駅の目の前のポートは機械が壊れていたので、少し歩いて別のポートへ。
目的地のモンマルトルは坂が多いので、電動自転車の1日券を購入。
€10(¥1,659)
支払いはデポジット込み €300(¥49,767)
充電が溜まっていない自転車が多い。60%くらい溜まっている自転車を見つけて走り出す。10分くらいで充電が尽きる。
電動自転車のアシストは3段階ある。ギアも1〜3の3段階。
広い道なので自転車レーンもしっかりある。
10:00 モンマルトル到着
※注 ここからはナチュラルに『アメリ』ワードが出てきますので、映画『アメリ』未視聴の方・見たことはあるけどうろ覚えの方は適当にスルーしてください。
さっそく、ニノが働いていたセックス・ショップ発見!!
大通りに面して並んでいることに驚き。
メトロの駅前もキャバレーが多いので、どうやらモンマルトルは夜の街らしい。ホームレスの人も多い。
通りは広くて自転車も走りやすい…けど、鳩が多い!! 自転車を避けない!! 歩行者よりも鳩が怖い!!
アメリが働くカフェ「Café des Deux Moulins」へ。ホームページを見るとカフェというよりレストランみたいなので、ここで朝食。
閉まってる…!!
アメリをゴリ押ししていることは分かるが、閉店理由は分からず。観光客が続々と来ては諦めていた。
待てば開くかもしれないので、周辺をウロウロ。
ついに諦めて、ドゥ・ムーラン近くの中華料理屋さんへ。(パリ最終日なのでパリらしいものを…と思ったけど、胃袋の声に従うことにした。)
- 野菜炒め
- イカの揚げ物炒め
- 青葉チャーハン
€16.06(¥2,627)
塩加減が完璧! おいしい!! 私が食べている間にも2人くらいテイクアウトで買いに来た人がいたので、地元でも人気なのかも。
トイレを借りたかったけど使えないみたいだったので、トイレを求めてカフェに移動。
駅前まで坂を降りる。
11:10 現地のカフェへ
隣にスタバもあったけど、せっかくパリまで来たんだし…ということで現地っぽいカフェへ。
店員さんが英語ペラペラでサービスが良い。
店の外半分はカフェ、奥は食事、という感じ。トイレは地下にある。(こちらではよくある作りらしい。)
12時近くなるとランチ営業のムードになってきたので、先にお会計を促される。クレジットカードの機械だけ渡されて、店員さんは他のお客さんとずっと喋っている…。支払いをして、機械はテーブルに置いていく。
€8.90(¥1,456)
あとあと見ると、チップは別で現金をテーブルに置いて出なきゃいけなかったみたい…良い店員さんだったのに渋いことをしてしまった…!
未だにスマートにチップを払えない…
電動自転車を借りて再出発。
12:00 『アメリ』ロケ地巡り
モンマルトルの丘を電動自転車で登り、坂道を歩いて降りながら『アメリ』スポットへ。
アメリが盲目のおじいさんを道案内したメトロの駅!
おじいさんが白杖で道を渡ろうとするシーン、側溝に水がチョロチョロ流れていて「晴れててこんなに水が流れてることある…?」とずっと疑問だったのだけど、実際に流れていた。
次のスポットへ移動。
ニノが初めてアメリを見たモンマルトルの丘!
いじわる店主の八百屋さん「コリニョンの店」
ポストカード3枚 €6(¥981)
証明写真機が街角に!
最後にまた「SEX PALACE」に戻ってきた
どうやらSMグッズなどが売っている店らしい。
真っ昼間だし観光地だし、私のようなイタいアメリファンは今までごまんといたはず…! 気配をゼロにして入ってみよう…! と思って店に近寄ると、ちょうど店から通りの様子を見に出てきた店主のおじいちゃんと目が合ってニコッとされてしまって断念…。
すごすごと公園にある自転車ポートへ。
公園のベンチで、おじいさんとドラァグクイーンが話し込んでいる。ドラァグクイーンもおじいさんと同年代くらい。ドラァグクイーンの悩み相談におじいさんが乗ってあげている風だった。
これがモンマルトル。
『アメリ』って、アーティストの街でフリーターしながら恋愛する、スーパーモラトリアムサブカル映画なのかもしれない…(森見登美彦かて…)。
13:00 モンマルトルを出発、ピカソ美術館へ
自転車で下り坂をスイスイ。前の自転車を避けようとしたら縁石に引っかかって倒れかける。お股をしたたかに擦った。痛い。
ベンチに「今時こんな人いるのか」というパンクな人が座っていた。
(↓イメージ)
OrangeのSIMカードのユーザー登録がようやく完了したとSMSメールが。
しかし使用するにはtop up(チャージ)が必要とのこと。30GB使える旅行者用のプリペイドカードを買ったはずなので、話が違う…。(再度言うけど6千円した。)
Orangeの店舗で相談しようかとも思ったが、レビューでサービスの評価がめちゃくちゃ低い。この上さらに時間をとられるのも癪なので、このままフリーWi-Fiで過ごす。
パリはフリーWi-Fiがかなり充実してるので、むしろこの方が快適。暇つぶしで無駄にSNSとかを見なくて済む。景色を楽しんだり本を読んだりして時間を過ごす、昔の旅を思い出す。
シェアサイクルvelib'はかなり便利。
ポートがたくさんあるので、駅まで歩く時間・電車を待つ時間がゼロに!
こんなに便利なら、3日券を買った方がお得だった。
13:20 ピカソ美術館
こちらも良いものがたくさん。
キュビズム画家を支援したコレクターのレオンス・ローゼンバーグをピックアップしていた。(企画なのか常設なのかよく分からなかった。)
ウォール街大暴落、世界恐慌で破綻してコレクションを手放してしまったそう。人に歴史あり。
- 展示は4フロアとたっぷり
- 冷房が効いていて寒い!! 石造りの建物で余計に寒い! 寒すぎて最上階はダッシュで駆け抜ける
- トイレは地下
- トイレ前に給水機を発見。ヨーロッパって給水機が多い気がする。水筒を補充させていただく
ロビーで休憩。
……。
しんどい…。
昨日の疲れもとれていない上に、モンマルトルで坂道を歩きまくったし…。
なんか…なんかもう…無理かも…。
お土産ポストカード €6.30(¥1,031)
15:45 出発
ベルリン行きの夜行列車Nightjetの時間は19:20。念のため18時台には駅に着いておくとして、まだ時間はある。
ルーヴル美術館を半分も見れていないので最後にもう一度…と思っていたけど、体調が悪すぎて断念。
ピカソ美術館の隣の公園でりんごを齧りながら身体と相談。ポッカポカの日差しが、弱っている今は暴力的に感じる。もう外をうろうろするのは無理なので駅でゆっくり電車を待ちたい。
自転車を運転する気力もなく、徒歩でパリ東駅へ。
美術館で身体は冷え切っているし、日差しは眩しいし。みんなが半袖で春の日差しを楽しんでいる中、コートを着込みアウトドア帽子を被っている自分は絶対に変。しかし自分の体調を慮れるのは自分だけなのだ…!
16:30 パリ東駅「Gare de l'Est」到着
駅で休憩。
ベンチにUSBコンセントがあったので充電しようと思ったが、反応しない。通電していないのかも。
17:00 フリーWi-Fiに繋いでメールチェック
Airbnbでチェックアウト後のレビューを書く。
他にもメールが届いていたのでチェック。
Nightjetからメールが。ドイツ語なのでGoogle翻訳にコピペする。
ご予約の便に変更がありました。
パリ東駅→ベルリン中央駅
残念ながら、この便は運休になりました。
最新の時刻表を確認し、次に接続可能な列車をご利用ください。
良い旅を。
うおおおーーーい!!!
「良い旅を」じゃないよ!!!
国境をまたぐ移動手段を「残念ながら」でキャンセルしないでくれよ!!
メールのリンクから予約を取り直そうとするが、全てドイツ語表記。なんとか翻訳アプリと行き来しながら予約を取ろうとするが「乗り換え時間が間に合わないかも!」という選択肢まで表示される。英語への切り替えもできない。(こんなパニックの最中に、ストリートピアノで『アメリのテーマ』を弾く女性が現れる。なにこの状況。)
ここで予約するのは危険すぎる。
有人窓口で返金&変更してもらおうと思って窓口を探すが、見つからない。
代わりに自動券売機を発見。
自動券売機なら、この東駅発の便だけ表示されて確実(サイトだと出発駅の選択肢も多くて迷う)のでここでチケットを探すことにする。
選択肢は3本。値段は€395〜。
€395。
5まんえん。
しかも一番安いチケットは、出発が15分後。
迷っている時間はない。
背に腹は変えられないのでチケット購入。
17:52 パリ東駅 → 20:25 Karlsruhe中央駅(ドイツ)
乗り換え 35分
21:02 Karlsruhe中央駅 → 5:20 ベルリン中央駅
€335(¥54,927)
きっっっつ
有り得なくない? 当日券の割高料金だとしても有り得なくない???
さすがに1等席の値段だろうと思ってたら2等席だったし
発券されたチケットをカバンに突っ込み、ダッシュでスーツケースを取りに行く。(取り出すのは超スムーズだった。入り口はスルーで入れてくれて、ロッカーのチケット口に保管していたチケットを入れれば鍵が開く。)
ダッシュで29番プラットフォームへ。
発車は17:52。あと10分。
本当は夕飯も買ってから電車に乗るつもりだったのだが、その猶予はない。
駅員さんが立っている改札を通ろうとするが、慌てて引っ張り出したチケットは後半の「Karlsruhe〜ベルリン」間のチケットだった…!
駅員さんに「他のチケットはない?」と聞かれる。チケット一式をクリアファイルに突っ込んだら、パリ東駅発のチケットがレシート紙なので、他のレシートと混ざって見つからない…!
「これか?」と引っ張り出したやつを「それそれ」と駅員さんが教えてくれて、無事に改札通過。通る時に、駅員さんが私の車両と席の番号を英語で教えてくれる。チケットは全てフランス語で、どれが何の番号か分からなかった(というかそこまで考えてなかった)ので助かった…!
無事に乗車。
4人ボックス席で、中央にテーブルがある。席はかなり狭い。
車内奥の荷物台にスーツケースと大きいリュックを収納。(本当は荷物台に荷物を置くときは所有者情報を書いたタグを付けるのが必須なのだけど、手に入れるタイミングがなかった。)
充電用コンセントが2人掛け席の間に1箇所しかない。隣のお兄さんが先に使っていたので「2口USBの充電器を持ってるから」と声をかけて、一緒に充電。2口USBの充電器がこんな時に役立つとは。
(過去のフィンランド旅行で、現地のスーパーでUSB充電コンセントを買っていた。変圧器を通さずスマホ等を充電できるので、充電器の現地調達、おすすめ!)
18:30 反省
冷静になって考えてみれば、なにも違う電車を取る必要はなかった。
飛行機で移動しても1万円くらい(たぶん)、パリのホテルも1〜2万円(たぶん)なんだろうから、ホテルに一泊して明日の飛行機で移動した方が安く済んだ。どんなにパリの物価が高かろうとも5万円はしなかったはず。
いつも移動中のトラブルに見舞われると、なんとか元のレールに戻そうとして「予定通りに少しでも近い行動」を選択してしまう。そしてその為なら高い買い物も仕方がないと思ってしまう。
なんなら、明日の早朝にベルリンに着いても昼までチェックインはできないので、明日の午後の便でゆっくり移動した方が万事うまくいくのに。ホテルでゆっくり休む方が体調にも良かっただろう。
自分の要領の悪さにうんざりする。
こういう時、冷静な人なら「よし、じゃあホテルを探そう」と対処できるのだろう。
19:10 新事実発覚
改めてメールチェック。さっきのメールを見てからてんやわんやだったので、他のメールを開いていなかった。
Nightjetからの運休メールの次に、またNightjetからメールが来ていた。
さっきのメールはシステムエラーによる誤送信です。
ご予約の便は予定通りに運行します。
うおおおおおーーーーい
悪いのは俺かぁぁぁーーーーーい
送信時間は、運休メールの30分後。私がこの列車に乗り込む時にはとっくにこのメールは届いていた。
よく見ておけば良かった。
メールフォルダを全てチェックしておけば良かった。
律儀に時系列通りにチェックせず、新着順に開封していれば良かった。
いや、むしろはじめからメールチェックなどしなければ良かった。
そうすれば、運休メールが誤送信され、30分後にそれが取り消されたということも知らずに、自宅からプリントアウトしてきたチケットで呑気にNightjetに乗ることができていたのだ。
早とちりの銭失い。
私のようなトンマが一人で旅行をするからこういうミスが起こる。誰かと一緒に旅行していれば「あれっ、こんなメール来てるよ」「どうする」「いや、ちょっと待って」という会話の中で、いろんな発想やチェック機能が働いてここまでのポカには発展しないはずだ。
傷が浅いうちに最速で手を打とうと焦るばかりに、余計にひどい判断をしてしまう。
次からは、何かトラブルが起きたらゆっくりコーヒーを飲むことにしよう。
電車の遅延があっても、寝坊をしても、誰かがミスをしても、取引先に怒られても、とにかく一度、自分がパニックに陥っていることを認めてコーヒーブレイクを設けよう。
コーヒー1杯分の時間をかけて状況を俯瞰すれば、まだマシな判断ができるはず&その判断が最善だったと納得できるはずだ。
次からは、パニクったら、コーヒーブレイク。
電車の車内Wi-Fiが弱いので(時速300kmなので仕方ない)、チケットの返金等の規約を確認したくてもできず。
四苦八苦したがグーグルで「nightjet cancel」で検索して英語ページに辿り着く。どうやらサイト内に言語切り替えのタブはないが、検索サイト経由なら英語ページを開けるらしい。
完全に私の早とちりなので無理筋ではあるものの、問い合わせフォームにNightjetの返金依頼を送ってとりあえず返事を待つ。
ちなみに予約していたNightjetの料金は€70(約1万円)。それだけでも返ってきてくれればありがたい。(ちなみにその後、返事が来ることはなかった。)
だんだん冷静になってきた。
大金は失ったが、総じてそこまで悪いことは起こっていないはずだ。我が身も荷物も無事にベルリンに向かっている。ベルリンに着けば、あとは予定通りの行程に戻れる。
自分にがっかりしたら、コーヒーを飲むんだ。(私はコーヒーを2杯も飲めばお腹を壊すから、半分、自分への戒めにもなる。)
「ゆっくり急ぐ」。最近読んだ副交感神経の健康本に書いてあったことだ。これからは、ゆっくり急ごう。
(出典はこちら↓)
旅は、旅のトラブルは、自分のcapabilityを教えてくれる。
体調が悪かったこと、眠かったこと、寒かったこと、ぜんぶ忘れてしまった。
- 後ろの席の人が動画をイヤホン無しで観ている。「この状況で2時間半かぁ…」と思っていたら、青年が「イヤホンして」と注意していた。ら、イヤホンを取り出していた。(持ってるんかい!)「なにか不都合があれば言えば良い」というのもコミュ強のフランスらしさを感じる
- 私と同じタイミングで、おじさん2人+幼児のファミリーが乗車。ゲイカップル+その子ども? 街中でもゲイカップルらしき男性2人組をよく見かけた
- 楽器を持っている人が多い。ミュージシャンは電車で長距離移動が多いのかも。(楽器を飛行機に預けるのは大変らしいし)
- 景色が楽しめたので、17:52発の電車になって良かった。深夜便ではこうはいかない
20:25 Karlsruhe中央駅 到着
予定通りに到着。乗り換えに30分ある。
夕飯を売店で買いたいが、5軒ほど並んでいてどこで買うか悩む。
一旦落ち着いて考えようとコーヒーを購入。(さっそくコーヒーブレイクの練習。)カード払いでレシートを頼んだら、店員のおじさんに嫌そうな顔をされる。
€7.50(¥1,230)
コーヒーを飲みながら、次の列車のプラットフォームを確認。ついでにエスカレーターもエレベーターも発見。
これで乗る時はスムーズにいけそう。コーヒーで落ち着いて良かった。コーヒー効果!
20:45 夕飯
売店は、パンが売っているカフェが多い。ドイツのクロワッサンに特に期待もできない…と思い、ケバブ屋さんに決定。『地球の歩き方』ドイツ版に、今ドイツでケバブが人気だと書いてあった。
定番っぽい1番のケバブサンドを注文。
学生時代に第二外国語でフランス語・ドイツ語それぞれ勉強したので、全く身についていないものの少しくらいは分かる。
パリではなるべくフランス語を使うように頑張っていたけど、ここはドイツ語。
脳が切り替わらなくて、英語・フランス語・ドイツ語(たまにフィンランド語)を混ぜこぜに喋ってしまう。そのせいで、店員さんを混乱させる。
ここはドイツなので、Yesは「Ja(ヤ)」、Noは「Nein(ナイン)」。それでちゃんと受け答えしよう、と頭を切り替え。
ケバブ屋さんのお兄さんはドイツ語。身振り手振りでなんとなく言われていることを察する。
『肉は入れていい?』(ケバブサンドなのになぜ肉について聞かれたのかよく分からない。)
「ヤ!」
『野菜は全種類入れる?』
「ヤ!」
『マヨネーズソースでいい?』
「ヤ!」
『唐辛子はかける?』
「ヤ!」
『…Jaしか言わないね(笑)』
『アルミホイルで巻く?』
「…ヤ!」
『やっぱり(笑)』
『袋はいる?』
「ヤ!」
『だろうね(笑)』
『…レシートは?』
「ヤ!」
二人で笑ってしまう。でも本当に全て「Ja」なんだから仕方ない。
今まで孤独で不安な時間が続いたので、人と笑顔で会話できたことに泣きそうになる。
人の寂しい心を救えるのはやはり人しかない。
車内で食べると匂いがしそうなので、ホームに上がって電車が来るまでの間にケバブサンドを食べる。
美味しい!!!
少し電車酔いもあって食欲がなかったけど、唐辛子の辛味で否応なく食欲を刺激される。パリッと焼いた温かいパン、甘辛く焼いた肉、たっぷりの野菜。疲れきった身体に完璧な栄養バランスの食事。エネルギーが満たされてくる。
中東〜アジアの味は落ち着く。
半分食べたところで、電車が来る。
9:02 Karlsruhe 出発
自分の席は91番。(こちらの電車は日本の新幹線みたいに「◯列 ◯番」ではなく番号だけで表示されるので数字がやたら大きい。)
車内はガラガラ。
91番の席に行くと、隣の90番の席に座っているおじさんが荷物をドッカリ置いている。
「私の席は91番なんですけど…」と声をかけると「この席はOut of orderだから他の席に座れ」と言われる。
仕方なく&こんなに空いていて隣り合って座るのも嫌なので、通路を挟んで反対側の88番・89番席へ。
フリーWi-Fiに繋いで調べてみると、どうやら予約席は、席についている電光掲示板に「この駅までは予約されている」と表示が出るらしい。予約がない先には「自由席」と表示される。
そして何も表示されていない席は「予約者がいるかもしれないしいないかもしれないから、予約者が来たら譲ってね!」という扱いだそうだ。
(↓参考)
【写真つき】ドイツ鉄道DBのICEに座席予約なしで乗るときの注意点&座りかたについて
私が移った席にも何も表示されていないので、予約者がいるかもしれないし、いないかもしれない。
人が来ないといいな…と思いながら寝ようとしていたら、どんどん人が乗ってくる&騒ぐ。
夜行列車=寝台列車だと思っていたら全然そんなことはなく、21時から翌朝5時まで10〜30分おきに停車するらしい。
どうやら寝台列車ではなく「深夜の時間帯に運行している普通の長距離電車」という感じのようだ。乗ってくる人も、2席に横になって寝ている人もいれば、遠足ノリでワイワイ騒いでいる若者など色々いる。
ちなみにドイツの公共交通機関は終電が遅くて、夜中でもけっこう便がある。
24:00 起こされる
「この席を予約している」と起こされる。いつの間にか人も増えてほぼ満席になっている。
「私の本当の席は91番だ」と言うと、玉突き形式で91番に座っていた人が前の席に移動し、私が91番に移動し、私がいた席に別の人が座る。
スーツケースを置くスペースもなくなったので、スーツケース置き場に移動。
91番に座っていたのは、女性の2人組。もう1人はしばらく私の隣の90番に座っていたけど、前の席が空いたタイミングで相方の方へ移って行き、私の隣が空いた。
本来の自分の席に座れたのでもう邪魔されることはない…と思い、5万円以上も払った電車なので少しでも元を取ろうとアイマスクとイヤホンもして快眠環境を整える。この睡眠には5万円分の価値があるのだから…!!
2時間くらいは寝られた。
5日目 日曜日
5:00 アラームで起きる
5:25に到着予定だったので5時にアラームをかけておいたが、まだまだベルリン到着の気配がない。どうやら列車が1時間ほど遅れているらしい。
6:00にアラームをかけて、再度寝る。
6:00 Berlin Zoo駅で起きる
アラームで目覚めると、まもなく「ベルリン動物園駅」に着くらしい。
私はその次の「ベルリン中央駅」までチケットを買っていたが、宿はベルリン動物園駅のすぐ近く(なんなら徒歩圏内)。
ここで降りる方が近い! 降りよう!!
慌てて荷物をまとめる。
が。
スーツケース置き場に置いていたスーツケースがない。
後厄度 ★★★★★
歩いた歩数 20,502歩
(5日目へ続く)