ho-jun

芳醇/豊潤 ・ 小説と漫画創作 ・ 本と映画レビュー ・ 初心者社会学 ・ 日々考えること

【映画】やさしめホラー 「イット・フォローズ」

普段はあまりホラーとか見ないようにしているのですが、たまーーにあれこれ見てみようかなって波が来たりする。

去年だったか一昨年だったかもそんな波があって、「SAW」「SAWⅡ」をhuluで一気見した。ホラーを見慣れてない上に単純なので "The key is in the...." のシーンとか、息子の正体が分かるシーンとか、「ふおぉわぁぁぁぁっぁぁ」ってなった。ただ一人、部屋でドーパミンの爆発のやり場を失っていた。

それ以来の、ホラー見たさである。

   

 

数ヶ月前に「ホラー映画の日本版ポスターがダサい」という話がTwitterで話題になって、その流れでこの映画が紹介されていた。

 

 

ちなみに海外版ポスターはこちら。

確かにオシャレだけど、これでは内容はよくわかりませんね。

 

 

主人公は、19歳の大学生の女の子ジェイ。

幼馴染の友達にも恵まれ、彼氏もいてリア充を満喫している。一方で、満たされた生活を送る19歳にふさわしい「子供の頃憧れていた『大人』になったけど、で、どうすんの?」みたいなモヤモヤも抱えている、とても「普通」な女の子。

そんなジェイがある夜、疑いもしなかった彼氏から「セックスによって感染する呪い」をうつされ、友人たちと協力しながらその呪いから逃げ惑い奔走する話。

 

その呪いとは「何の前触れもなく、他の人には見えない『それ』がこっちに向かって歩いてくる。それに捕まると殺される(けど歩いてくるので割と逃げきれる)」というもの。

ビジュアル自体はそこまで怖くない「それ」(老婆の姿だったり、大男だったり、裸の女性の姿だったりする)が、ひたひたとこちらに向かって一直線に歩いてくる。今ではゾンビも飛んだり跳ねたりする時代だが、これは「人」で歩きも遅い、殺され方もそこまで惨たらしくはない。

でもその「ひたひた」が生む恐怖は、ジャパニーズホラーにも共通するし、「シックス・センス」的と言ってもいいかもしれない。

 

主人公の状況もそんなに絶望的じゃない。

観客が恐怖するほどは頻繁に「それ」が襲ってくるわけではないし、他の人には見えないまでも物理攻撃は効くので、最初は「どうしちゃったの?」と半信半疑だった友人たちも怪奇現象を目の当たりにしてからは主人公を信じて親身に協力してくれる。

そう考えると、これはホラーというよりも、「呪い」を媒介にした、ハイティーンが悩み、失敗しながらも、幸福な人間関係を獲得していく過程を描いた青春ヒューマンドラマと言える。

 

映像もなかなか綺麗で、カメラワークも工夫されているので面白く見れる。

「それ」との一悶着の後には必ずと言っていいほど、登場人物たちが自戒し思案を巡らし、静かに音楽だけが流れていく穏やかなインターバルがある。その間に登場人物たちの心理の微妙な揺れを感じ、また「うつしうつされる『呪い』の鬼ごっこ」の次の展開を予想したり期待したりがっかりしたりする間になる。

 

 

 

純化してしまうと「軽い気持ちでセックスしたらえらい目見るぞリア充爆発しろ」って話にも見えちゃうんですが、ティーンが傷つきながら大人になっていく物語としては決して悪いものではなかった。

 

多分ホラー好きの人には物足りない部分もあるんでしょうけど、ホラーがあまり得意でない人、青春モノに馴染みのある人には案外オススメです。

 

 

ちなみに予告編がYou Tubeに上がっていますが、もっと静かでしっとりと味わえる作品なのであまり見ることはオススメしません(笑)

 

ところでファンには申し訳ないけど、どうして洋画ホラーの音楽ってこういうエフェクトなのかなぁー…綺麗な音楽のホラーとか見てみたい。

これは穏やかなシーンの曲は良かったです。