「ゆかいないきもの図鑑」のぬまがさワタリさんのトークショー「いきもの映画大全」に行ってきました。
ぬまがささんの書籍はこちら
ブログでは映画レビューも書かれています。
以下、補足というか蛇足。映画のコンプライアンスについて考えること。
問われる作品のモラル
知り合いに教えてもらったのですが、2018年アカデミー賞の授賞式で「インクルージョン・ライダー」という言葉が話題になったそうです。
映画俳優が、作品のキャストやスタッフの人種・性別の多様性を確保するよう求めること。
他にも、映画をフェミニズム視点で評価する動きや、
ソースは忘れてしまいましたが、作品の悪役ばかりがニキビ面(だったかな?)であることが肌荒れを持つ子どもたちの悩みに…という記事も見たことがあります。
少し前なら、正義のヒーローが白人ばかりなのはどうなの?みたいな議論もあったと思います。ディズニープリンセスも、すっかり多人種になりましたね。
そんな時代だから、いきものでしか表現できないこともある
人の見た目とキャラ設定を紐づけて差別や偏見を助長したりしないように意識することは、今や作品を作る人の間では重要なモラルになっていると思います。先日観た「シェイプ・オブ・ウォーター」も、冷戦期という時代設定でなければ、口がきけない主人公やアフリカ系アメリカ人の疎外感をあそこまで強調できなかったと思う。
「異形のもの」に対する悪意や暴力は、どうしたって対象が人間らしいものであればあるほど、見ていてツラい。そんな中で「マジョリティとは違う人」をいきものに投影することで、表現の幅が広がったり、共感しやすくなったりすることはありそう。
一方で、いきものに対する偏見ってどうなんだろう。
映画「SING」を観て思ったことなのですが。
普段の生活では冴えなかったどうぶつたちが、ステージに立って歌うチャンスを得ることで輝き始める、というサクセスストーリーです。とてもハートフルな笑って泣ける映画で、なにより声優陣の圧倒的歌唱力にど肝を抜かれます。(字幕版で米国歌手たち声の美しさを味わった上で、吹き替え版ではウッチャンのかわいい声優っぷりとやっぱすごすぎるMISIAの音域で2度楽しめます。)
SING Song "I'm Still Standing" 😍 Taron Egerton as Johnny HD
この作品のキャラクターに、移民っぽいギャングのゴリラ、子だくさんで自己実現の暇がない主婦のブタ、自己顕示欲は強いんだけどどうしたって小動物なネズミなどが登場します。
なんかこのキャラ設定と動物の種類ぴったり具合が、分かりやすくもある一方で、一周回って「分かりやすすぎる」という違和感を持ちました。なんというか、この設定が、人のーひいては動物のステレオタイプな見方になっていないか?という気がしてしまったのです。
人によっては「忙しい主婦の生活をブタに例えられたら堪んないんですけどー!」って感じるかもなぁと、でも逆にブタの方でも「いやいやこちらこそなんですけどー!」ってなんないんだろうかと。いやブタはそりゃ映画見ないので、ブタに関わる人たちが、ってことなのかもしれないですが。
ぬまがささんのトークショーの中で「クマは、恐ろしい猛獣としても、かわいいキャラクターとしても描かれていて、イメージの幅が広い」というお話があってなるほどと思ったのですが、逆に「このいきものっていつもこんな風に描かれて…本当はそんなことないのにナ」ってこともあるかもしれません。
「SING」が、ということではなく、あらゆるいきもの作品に言えることとして。
思えば、そこに一石を投じうる作品が「ズートピア」だったような気もします。
そんなこと言い出したらさ…って話はいくらでもひろがるんですが、長くなるのでいったんこのへんで。。。
とにかくトークショーが、いろんな映画を知れたしいろんな視点をいただけたしとてもよかったって話がしたかったんです。
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