旅するトナカイ

旅行記エッセイ漫画

【詩】私たちはなんだかすべて 忘れていってしまうね

 

 

私たちは生まれたときには

すべてのことを知っていた

 

世界のなりたち

身体のはたらき

細胞のうごめき

 

自分が世界で

世界が自分であるということ

 

私たちはそのすべてを

一日ごとに 忘れていく

 

世界の終わり

原子の香り

音波のかたち

 

知るほどに忘れて

増えるほどに失って

 

そうやって 私たちは ひとつずつ

世界の裏側に 落っことしていく