旅するトナカイ

旅行記エッセイ漫画

ヴェルサイユ宮殿と、パリの挨拶文化 1日目後半【後厄パリ・ベルリン・コペンハーゲン旅行】

後厄によるパリ・ベルリン・コペンハーゲンひとり旅

(前回はこちら

 

1日目 パリ シャルル・ド・ゴール空港到着

7:00(フランス時間) 到着

ぐったり……。

飛行機がずっと揺れていたせいで、しんどい…。

 

入国審査は引くくらいの行列。さすが世界に愛される大都会、パリ。

並んでいると係員の人がパスポートを確認してきて、日本のパスポートを持っている人は優先レーンに案内してくれる!

審査の質疑応答はなく、機械で自動で通してくれるのがストレスフリー。

 

入国

まずはSIMカードを購入。

地球の歩き方』によると、空港に通信会社「Orange」のSIMカード販売所があるという。探してみると、めちゃくちゃ簡易なカウンター。

とりあえず14日間、30GBのカードを購入。無愛想なお姉さんが手渡してくれる。

SIMカード €39.99(¥6,585)

 

さっそくSIMを差し替えてみる…が、ネットに繋がらない…!!

説明書を読みながら確認するが、原因不明。

時間が経てば反応するかも…と思い、ひとまず移動を開始。

 

空港から市内への電車「RER」へ。空港の出口から駅までが遠い。けっこう歩く。

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ヴェルサイユ宮殿を9:30に予約したが、それにはもう間に合わない(パスを持っているので、予約自体は無料)。なにより移動疲れで体力がキツい。

 

でも、人が多くて店も多くて道も狭そうなパリ市内をスリに怯えながら歩き回るよりは、ド観光地で観光客しかいないヴェルサイユ宮殿の方が、総合的な心労は少ないはず。今日どこか観光するならヴェルサイユ宮殿がいい。

 

8:45 とりあえずカフェで一服&朝ごはん

空港駅のおしゃれなパン屋さん「PAUL」に入る。

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  • パンオショコラ
  • アップルパイ
  • ツナのバゲットサンド
  • カフェラテ Sサイズ

 

パンオショコラとアップルパイを食べる。ツナサンドはテイクアウト。

美味しいけど「フランスに来なければ食べられない!」というほどでもない

カフェ代 ¥2,846(クレジットカードの支払い時に日本円支払いを選べた)

 

10:00 出発

調べたところヴェルサイユ宮殿にはスーツケースを預けられる場所がなさそうなので、まずは宿に荷物を置きに行く。宿はAirbnb

 

空港を出ると、寒い。セーターを着る。

 

券売機がうまく解読できないまま、ひとまずパリ行きのチケットを買って電車に。

三又のポールに「外国」を感じる



運賃 €11.80(¥1,939)

 

SIMカードは、どうやらユーザー登録が必要だったらしい…? 次にフリーWi-Fiがある場所までネットは我慢。

 

メトロに乗り換え。

 

12:00 地下鉄の駅を出る

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冴えた冷たい空気と、暖かい日差し。

最高!!!

 

これこそ、ヨーロッパの気候!

 

メトロの駅から宿までは、バス。

「Navigo」という運賃カードでZone1〜2の1日券をテキトーに買っていたが、よくよく調べると宿の場所はZone3だった。

券売機で差額を払って買い直しを試みるが、何度やっても支払い画面でエラーが出てしまい、有人窓口へ。

窓口であっさり解決。

運賃 €10.65(¥1,750)

 

バスに乗って、宿で荷物を下ろす。

 

…荷物を置いた途端にみるみる元気が湧いてきて、ヴェルサイユ宮殿を14:30に予約。

 

来たのとは別のメトロの駅まで歩く。宿があるのは静かな住宅街だが、メトロのまわりは街。市場もやっている。東南アジアっぽい雰囲気の、服の市場。

メトロの入り口が可愛すぎる。(夕方に撮った写真なので夕暮れ)

 

 

…歩くとお尻の穴のあたりが痛い。もしや、飛行機で座りすぎてになった…?

ズボンの尻ポケットに手を入れてお尻の肉を寄せて歩く。我ながら怪しい。

 

13:00 メトロ乗車

改札口のドアの仕組みが分からず、入りそびれる。

回転バーに加えて、奥の「ラグビーのタックル練習する板」みたいなやつをタックルして入らなければいけないらしい。

回転バーを押すのは予想できたけど、タックル板にビビって戻ってきてしまった

 

自動で開いてくれるものと思って待っていたが一向に開かず、「どゆこと?」ってなって一旦退避…。

 

乗車カードNavigoには入場記録が残ってしまったので、有人窓口に相談。改札を開けてくれる。

対応してくれた駅員さんが「機械の不調のせいだ、ごめんね」と言ってくれたが、完全に私のタックル漏れのせいなので申し訳ない気持ちに。

 

ドア上に停車駅が表示されていて安心

 

車内の路線図に書いてある注意書きによると、今乗っているメトロの駅が週末から工事で閉まるらしい。

ストライキや工事で鉄道事情がコロコロ変わるのはパリあるあるだとか(『地球の歩き方』情報)。

工事といい、切符の買い方といい、改札の通り方といい、パリの移動、難しい…!!

 

メトロの駅は、どこもおしゃれ。駅名をタイルで書いているのが良い。

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もっとコンセプチュアルなデザインの駅もあったが、写真を残せず。

 

駅のトイレを利用。(パリのトイレはどこも有料で、€0.50〜1.00。)

支払いは現金硬貨(お釣りは出る)またはクレジットのタッチ決済。タッチ決済のカードを1枚だけ持っていたのでそれで支払う。

トイレ代 €1(¥164)

※レート換算アプリの設定が€1=¥164なのでそれで計算しているが、実際この時期のレートは€1=¥167〜170なのでもっと高い。

 

SIMはまだ繋がらない。駅のWi-Fiに繋げてサイトのQ&Aを見ると、購入時に店員さんにActivateしてもらう必要があったらしい! あのお姉さんめーーー…!!

…でもあの、いかにも「来た客に言われたモノだけ売ればいいんでしょ」って感じのお姉さんに、とてもスマホのSIM設定ができるようには見えなかったので、いずれにせよこうなったであろう…。

 

でも6,000円払ってこれは辛い。

このまま2週間、ネットが繋がらなかったらどうしてくれよう。

不安とがっかりとで怒りが沸く。

 

 

怒髪が天を突く。

 

 

怒りが冷めやらない。

 

 

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でも駅を出ると

 

 

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街がめちゃくちゃ綺麗なので

 

 

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全てチャラになる。

 

美は、人を黙らせる。

 

駅の乗り換えで、偶然ノートルダム大聖堂の横を通る。

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2つの尖塔がなくなっている。窓の中が真っ黒なのが痛々しい。

周りはTHE・観光地。観光客わんさか。

 

電車「RER」のC線の駅を探すが、入り口が見つからない。

電車とはいえ、ここは地下に潜っているらしい。

 

近くの博物館? のスタッフみたいな人に聞いて、なんとか発見。

この表示のなさは見つけられん! 景観はいいけども!

 

 

ヴェルサイユ宮殿へのチケットの買い方が分からず、窓口の駅員さんに相談。とても愛想の良い、朗らかなおじさんでスムーズに解決。

パリの駅員さんはみんな英語ペラペラ。

 

運賃 €4.15(¥682)

たぶんこの日は、無駄に多く切符を買ってしまっている気がする。

 

RERのC線は、セーヌ川に沿って走る。

2階建の列車の2階席からセーヌ川沿いの街の景色を眺めるのは楽しい。

 

フランス人、窓際の段差に足を置きがち

 

いかにも高級そうなクラシカルな街並み 〜 マイクロソフトのパリ支社など、ピカピカのビルが並ぶ一等地ビジネス街 〜 落書きの多い郊外 〜 新しく綺麗な住宅街…と、街の雰囲気が移り変わっていく。

 

14:45 ヴェルサイユ宮殿 到着

街からすでに広い。

入り口で持ち物チェック。カバンの中を開けて警備員さんに見せる。

入り口でオーディオガイドをレンタル。

オーディオガイド €5(¥822)

 

めちゃめちゃ広いらしいので、一つひとつあまり時間をかけないようにして、宮殿を40分ほどで見て回る。

 

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とにかく

 

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豪華

 

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絢爛

 

 

贅沢の


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極み

 

 

隙あらば

 

 

装飾

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権威の

 

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誇示

 

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鏡の間は

 

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圧巻!!!

 

ヴェルサイユ宮殿は宮廷のために、マルリー宮殿は友人たちのために、グラントリアノンは自分のために作った。(ルイ14世

 

神話の神々が王を祝福する天井画が、各部屋に描かれている。各部屋に。

 

大理石も刺繍も金箔もふんだん

 

とにかく自慢したがり。そうじゃなきゃこんなの作れない。

 

日本だったらどれか一つでもあれば国宝級のものがわんさかと…

 

15:00 トイレ休憩を挟んで、庭園へ

庭園はPARIS MUSEUM PASSの対象外なので、追加でチケット購入。

窓口のお姉さんに「学生料金じゃないの?」と言われる。やはりアジア人は幼く見えるのか…(またはメイクをしてなさすぎるのか…。)

庭園入場料 €10(¥1,643)

 

 

これだけでもう充分だけど、全体の10分の1以下です

 

ヨーロッパ庭園名物、並木道



クラシック音楽に合わせて噴水ショーがある



メインの池。遠くに点のように見えるのはボートの貸し出しサービス



植木の刈り込みがかわいい

 

並木、噴水ゾーン(休憩スポット)、並木、噴水ゾーン…と続く

 

噴水の修復作業をするスタッフさんたち(他にもガッツリ工事してる部分もある)

 

こういう作風な噴水ゾーンもある



ドラマかよて



地図を見て「この噴水は飛ばそっかな…」と迷っても、行けば後悔しない




この美観を支える、日本の技術(クボタ)



 

広すぎて死にそう。

 

足が痛い。

どこか特定の箇所が痛いわけではなく、足が総合的に痛い。

 

倒れそうになりながら、ベンチで休みつつ推奨ルートを一周。(もし私が茂みの中で倒れていても、そのまま朝まで見つけてもらえなさそう。それくらい広い。)

 

王族が一生涯ここに住み続けても飽きないように作られているのだから、それを数時間で踏破しようというこちらが間違っている。

 

日本の“謙虚”という概念を知ったら、彼らはどう思うのだろうか。「侘び寂び」とは真逆の世界。

 

お土産にポストカードを購入 €11.20(¥1,840)

 

17:00 来たルートで帰る

ヴェルサイユ駅のキオスクでおやつを購入。

  • Schwepps(炭酸ジュース)
  • チョコクッキー(うまい!! 好き!!)(写真は後ほど)

おやつ €6(¥986)

運賃 €4.15(¥682)

 

ノートルダム駅で乗り換え。

来る時は気付かなかったけど、行きたいと思っていた花市場「Marché aux Fleurs Reine Elizabeth II」が通り道にあった!

 

たくさんお店があり、それぞれに置いているものが違っていて面白い。

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盆栽もある

 

 

日本に持って帰れそうなものはないけど、旅行中、部屋に飾るためにチューリップを購入。

ここでもカードが使える。パリはどこでもクレジットカードが使えそう。

 

Netflixドラマ『パリのエミリー』で、花屋で花束を買うシーンがあってさ…

 

チューリップ一束 €12(¥1,972)

 

19:30 メトロ M11線の終点に到着

まだ明るい。

駅から宿に戻る道中、スーパーで取り急ぎの買い物。

 

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€8.10(¥1,331)

 

キオスク&スーパーで買ったもの(これで2,500円くらい!)

 

20:00 レストランを探す

さすがに疲れたので、温かいものが食べたい。

駅と反対に歩くと、教会や公園が。飲食店や商店もこの広場に集まっている。

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レストランを探して、ピザの店に入る。店主のおじさんが一人でやっているお店。

お客が誰もいないので不安だったが、恐る恐る聞いてみると席に通してくれた。

 

注文は

  • ミックスサラダ
  • 本日のプレート
  • ガス入り水

 

店主、めっちゃ自由。

私のあとに友人らしきご夫婦が入って来たら、ずーーーっと喋ってる。声がでかい。奥さんへのボディタッチが激しい。どうやら「地元で店を開いた同級生と、その友人」って間柄らしい。

話の途中で奥のキッチンに入り、サラダを出してくれたら、今度はタバコ休憩に店の外に出る。基本的にはずーーーっとご夫婦と話している。

 

全てフランス語なので言葉は分からないけど、不思議と何を話しているかがノリで分かる。それくらい感情表現が豊か。

久々に会った同級生夫婦と思い出話に花を咲かせて、あいつは今どうしてるとか、あそこの子どもはどうだとか言っている。店主はご夫婦の奥さんに「よう、相変わらず良いケツしてんなぁ!」と確実に言っていた(そして叩いていた)。

 

サラダと一緒にバゲットも出てくる。

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このバゲットが美味しい!!!

ちょっと塩っぱくて、バゲット単体でパクパク食べれる。

 

ご夫婦はピザとパスタを注文。ピザは、店内のピザ窯の前で生地を広げるところから作る。本格的でとても美味しそう。

 

本日のプレート

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フィレ肉のステーキ、ガーリックソース。

見た目には味が伝わりにくいけど、このソースがめっっっっちゃくちゃ美味!! 絶品!! ご主人! あなたのお料理、素晴らしいです!!

 

ただ、量が多い。徹夜の移動疲れと宮殿疲れで、レア気味な肉に内臓が太刀打ちできない。

本当に勿体無いが3分の1ほど残してしまう。店主がとても残念そうだった…。言えば残りをテイクアウトさせてくれたのかな…。(交渉する気力もなかった…。)

 

店内には私とご夫婦のみ。3人が盛り上がる中、無言で黙々と食べている私の異物感がすごい。なんとか自分の存在感が下がるように他のお客さんに入ってきて欲しい…と思っていたら、来た。

 

電話でピザを注文して取りに来た男性と、30歳前後の男女3人組。

こちらは店主の知り合いではなくただのお客さんっぽいけど、入ってくる時にチークキス(ほっぺを付けて口をチュッと鳴らす挨拶)をしていた。これが普通? 店主の距離感が近いだけ…?

 

ピザを取りに来た男性は、ただ取って帰るのではなく、(ピザは準備できているのに)店内でゆっくりとアペリティフを飲んで店主とお喋りしてから帰る。

男女3人組も、それぞれお酒を飲んでタバコを吸ったり電話をしたりして、しばらく時間を過ごした後にテイクアウトでピザを持って帰っていた。

こういう、店に来たらさっさと用を済ますのではなく、店主ともお酒を囲んでゆっくり喋るのが、フランスの文化なのかもしれない。

 

3人組の男性が帰り際、フランス語で私にも一言挨拶をして行った。

私が席を立つ時にも、ご夫婦の奥さんが私に向かって

「ルヴォワー!(さよなら)」

と挨拶。

 

なぜ、ただ居合わせただけのお客さんが私に…? と咄嗟に反応できなかったが、どうやら帰り際には店主だけでなく、居合わせた他のお客さんにも挨拶していくのがマナーらしい。

「ただ居合わせただけのお客さん」ではなく、「偶然にも共に居合わせたお客さん同士」という関係がすでにここにあるのだ。

 

店主とご夫婦それぞれに「ルヴォワー」と挨拶して、店を出る。

 

フランス人、めちゃくちゃコミュ強で、人間関係を大切にしていて、余裕があって、なんかおしゃれ。

 

食事代 ¥22.10(¥3,631)

 

21:30 宿に帰る

熱いシャワーを浴びると、サッパリ…! お風呂ってすごい。

狭いシャワーブースでいかにも「身体を洗うだけの場所」って感じの空間でも、熱いお湯に癒されてしまう自分は日本人だな〜と感じる…。

 

23:00 歯磨きして就寝

 

歩いた歩数 27,139歩

後厄度 ★☆☆☆☆

 

2日目に続く

 

ーーーーー

 

「本場のフランスパン」「ヴェルサイユ宮殿」に興味を持ったきっかけがこちら。

漫画アプリとかでも読めるので、読んだことない方はぜひ…!

 

そういえば、前情報で覚悟していたよりも道は綺麗だったな。もっとゴミとかフンとか落ちててTHE END感あるのかと思っていたら、そうでもなかった。

 

 

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ひとまずこのシリーズは、毎日平日(祝日除く)の12時更新を目指して書いてます。